地産地消で健康増進

地産地消が叫ばれて久しい今日、気になることがひとつ。

収穫された多くの農作物が町の新たな観光資源の様に取り上げられ、地元町民の頭越しに物産展示場に運ばれ観光客に即売されている現実をよく見かけるようになりましたが、はたしてこれが地産地消の本来の姿なのでしょうか。

観光客の口に納まる前にまずは町民の食卓に乗り、賞賛に値するものが訪れる人に提供されてこそ真の地産地消といえるのではないかと考えます。

対外的戦略の基本として、“商品力強化”を目的とした“地域内での十分なトレーニング”を基本的発想に据えるべきではないでしょうか。

安易な発想、汗をかかないトレーニングでは、生産者の思いが消費者へ届くはずの無いことを肝に銘ずるべきだと思います。

また、販売する量に関しても、観光客への販売量、または宿泊客の食材として消費される量より、町民が日常的に消費する量のほうがはるかに多く、それがとりもなおさず生産意欲の向上に繋がるのではないでしょうか。

では、その有効的なシステムはどのようなものなのか。

以下、その流れを考えてみたいと思います。

 

生産者 地域ならではのものを目指して生産に励むグループ

l  鬼首「山が旬の市」、石の梅「こいこい市場」その他「旧鳴子町.認定農業者連絡協議会」

 

加工 お年寄りへの元気な職場提供が、福祉政策の一環[参考事例:山形県金山町.がっこ蕎麦]

l  65歳以上のお年寄りに“元気に働ける明るい職場”を提供することで、

若者との世代間交流実現

l  伝統的食文化の掘り起こしと次世代への伝承

l  老人の積極的地域参加で、見直される本来の風土

l  介護施設だけが決して福祉行政ではない

 

観光農林課による支援 事業の中枢を担う情報発信基地

l  通年提供食材のデータベース化

l  町民参加、観光客参加への生産体制確立

l  本物の鳴子グリーンツーリズム促進

l  鳴子ならではの、食によるおもてなし

 

町立鳴子温泉病院.管理栄養室の支援 商品を品質面で管理

l  カロリー計算による、食べて美味しい食材のメニュー化

l  加工場へデーター提供

 

健康福祉課 町民への健康食啓蒙

l  町民集団検診糖尿病C判定者へ、食材の提供

l  ペーパー的指導から、目の前に盛られた食材による具体的指導により町民の健康意識向上

 

滞在客

l  療養客[生活習慣病]の無駄のない食材購入

l  滞在期間の調理意欲亢進

l  帰宅後の食による健康管理習慣化

l  病院の薬だけではなく、食べて美味しい食材による健康増進

 

福祉財政

l  医療費の軽減

l  通院による薬用的健康管理から、家庭の食事による健康管理へ

 

これら関係諸団体の連携、生産から販売へのルート確立、町民の需要促進をスムーズに取りまとめれば、地産地消の新たなる展開は現実のものとなるに違いないと考えます。

福島.三春地方に伝わる「三春四里四方」、この地域伝統型の循環社会実現のためにも、地産地消の正しい意義を考える必要が、今、あるのではないでしょうか。


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