風の道  薬師田の杉.榎




木は何も言わない
いつも黙っている


雨が降ろうと雪が降ろうと
いつもいつも黙っている


悪い虫が中に居座っても
木は何も言わない

風が吹き肌身晒しても

雪が積もり枝折れても
木は何も言わない

だから木なのだ

控えめな主張を内に秘め
季節ごとに微笑む木

 そんな木に
私はいつも触れていたい

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